多結晶ダイヤモンド素材は、平均粒径2,10,25ミクロンのものがあります。一般的にグレードが粗いものほど、耐磨耗性が高く、反対にグレードの細かいものほど、良質な切れ刃を造ることが出来ます。
多結晶ダイヤモンド工具の特性
多結晶ダイヤモンド(PCD)は切削温度が700度を越さない切削条件、あるいはカーボンに対して親和性を持たない加工材に限られます。これらの条件を満たす作業は、非鉄金属・木材・プラスチック・鉱物などの加工です。特に自動車業界で用いられるハイシリコンアルミ合金の加工に広く使われており、優れた工具寿命により長期間、高品質で均一な製品が得られます。
多結晶ダイヤモンドの切削性能
コンパックス&BZNの構造と、適した被削材料
COMPAX | BZN | |||
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構造 | 人造ダイヤモンドをタングステン・カーバイドで焼結したもの | BORAZON CBN(立方晶室化ホウ素)をタングステン・カーバイドで焼結したもの | ||
被削材料 | 非鉄金属 | 非金属 | 鉄合金 | 非鉄合金 |
アルミニウム アルミニウム合金 黄銅合金 青銅合金 銅 銅合金 鉛合金 マンガン合金 |
炭素 セラミック 繊維ガラス合成材 グラファイト プラスチック ゴム |
高硬度鋳鉄 強靭鋳鉄 焼入鋼 耐熱鋼 |
耐熱合金 超合金 |
G.E.社その他の資料による標準的な切削条件
COMPAX
被加工材料 | 切削速度(m/min) | 送り(mm/rev) | 切込み(mm) |
---|---|---|---|
アルミニウム合金 | 200~1,500 | 0.05〜0.2 | 0.1〜0.5 |
銅合金 | 200〜1,200 | 0.02〜0.15 | 0.1〜0.5 |
超硬合金 | 100〜400 | 0.02〜0.1 | 0.02〜0.1 |
FRP | 100〜800 | 0.02〜0.25 | 0.02〜0.1 |
プラスチック複合材 | 100〜800 | 0.1〜0.3 | 0.05〜2.5 |
ゴム | 300〜800 | 0.05〜0.15 | 0.02〜1.0 |
カーボン | 100〜500 | 0.05〜0.3 | 0.25〜2.5 |
セラミック | 300〜800 | 0.02〜0.2 | 0.02〜0.1 |
BZN
被加工材料 | 切削速度(m/min) | 送り(mm/rev) | 切込み(mm) |
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高硬度鋳鉄 | 50〜100 | 0.1〜0.3 | 0.5〜3 |
強靭鋳鉄 | 100〜300 | 0.1〜0.3 | 0.5〜3 |
焼入鋼(HRc50以上) | 80〜150 | 0.05〜0.2 | 0.5〜2 |
耐熱鋼 | 80〜150 | 0.05〜0.15 | 0.5〜2 |
耐熱合金超合金 | 100〜200 | 0.05〜0.15 | 0.5〜2 |